呼吸器科

呼吸器科

肺がん、咳喘息、気管支喘息、間質性肺炎など
呼吸器疾患の診療を

させていただきます。

咳喘息


咳喘息は気管支喘息の一歩手前の状態です。咳のみの症状で、気管支喘息のようなゼーゼー・ヒューヒューという喘鳴を認めません。咳が出だすと止まらない、夜間の咳、明け方の咳、会話で咳、笑って咳、冷気で咳、エアコンで咳、ラーメンの湯気で咳など軽度の刺激でもせき込むのは気管支喘息同様です。咳は激しく、肋骨を打撲したり、尿失禁することもあります。30%は気管支喘息に移行しますので、咳喘息のうちに治療することが重要です。咳喘息の診断のために、問診、聴診の後、レントゲン検査で、肺がんや結核、肺炎などの怖い病気を否定させていただきます。その後、肺機能検査で肺活量や1秒量、肺年齢を測定、呼気中一酸化窒素濃度測定(FeNO)で気道の炎症状態を把握、モストグラフで気道抵抗を測定させていただき、気道閉塞の状態を検査します。また、血液検査で、アレルギー検査をさせていただくこともございます。

気管支喘息


気管支喘息はゼーゼー・ヒューヒューという喘鳴を感じる場合と咳が主症状となる場合があります。咳が出だすと続く、話をすると咳き込む、走ると咳がでる、夜間ふとんにはいると咳が出る、アルコールを飲んだ後に咳が続くなどのお話から気道が過敏になっていると判断し、丁寧な聴診、胸部レントゲン、肺機能検査、呼気中一酸化窒素濃度測定(FeNO)、気道抵抗(モストグラフ)、血液検査から気管支喘息と診断できます。外来で処方させていただき、自宅で毎日できる簡単な吸入薬(吸入ステロイド)が有効ですが、吸入方法がきわめて重要ですので、吸入方法もご説明させていただきます。ステロイドと聞くと副作用が心配となる方もいらっしゃいますが、内服ではありませんので、糖尿病や骨粗鬆症、免疫低下などの全身性の副作用を心配する必要はありません。患者様によっては、声が枯れるとおっしゃる方もいらっしゃいますが、吸入ステロイドの種類を変更することで、声枯れも改善することが多いと思います。呼吸器専門医およびアレルギー専門医である私自身が吸入ステロイドを吸入しておりますし、家族も吸入しております。

難治性喘息


吸入ステロイドを最大量使用しても発作を繰り返す患者様には、以前は経口ステロイドを必要最小量だけ処方させていただきました。このような難治性喘息の患者様には、生物学的製剤という医療最前線の治療もクリニックで可能です。血液検査での好酸球、lgEというアレルギーの数値と、呼気中一酸化窒素濃度測定(FeNO)の値から、ヌーカラ、ファセンラ、ゾレア、デュピクセントなどの生物学的製剤を検討します。高価な治療になりますので、高額療養制度の利用をご相談させていただくこともございます。

間質性肺炎・肺線維症


間質性肺炎や肺線維症は、肺が線維化といってかたくなる疾患です。初期には軽度の咳や階段昇降時の呼吸困難を感じ、進行すると呼吸不全に陥ります。間質性肺炎の原因には、関節リウマチなど膠原病に伴うもの、アスベストの吸入によるもの、薬剤の副作用によるもの、カビや鳥類の糞や羽を吸入して発症する過敏性肺炎が慢性化したものなど、原因は様々です。原因不明ですと特発性と診断されます。特発性の中でも特発性肺線維症は、初診時からの平均寿命約5年ともいわれているほど進行性で予後不良の疾患です。しかし、原因によって対処法が変わりますので、まずは原因を探すことが重要です。

慢性閉塞肺疾患(COPD)
(肺気腫及び慢性気管支炎)


慢性閉塞性肺疾患(COPD)(肺気腫および慢性気管支炎)では、肺の中で酸素と二酸化炭素の交換をする肺胞という組織が溶けていき、呼吸する面積が減少します。原因のほとんどはタバコやPM2.5などの大気汚染です。咳や痰、階段昇降時の呼吸困難を認め、進行すると呼吸不全のために酸素療法が必要となります。外来で処方させていただき、自宅で毎日吸入できる簡単な吸入薬(気管支拡張薬や吸入ステロイド)と禁煙で改善が望めます。

過敏性肺炎


過敏性肺炎は、カビや鳥類の糞や羽を吸入して発症するアレルギー性肺炎で、夏型過敏性肺炎(住居のカビを吸入して発症)や鳥関連過敏性肺炎(現在の鳥飼育での発症だけでなく、隣人の鳩飼育、羽毛布団の使用、公園、神社、駅、庭に飛来する野鳥や野鳩の集団棲息、鳥の剥製や鶏糞肥料の使用など間接および無自覚の抗原曝露で発症)が代表的です。 咳や歩行時の呼吸困難を感じますが、かぜが長引いていると患者様は考えてしまうことも多いので、専門医による検査が重要です。

気管支拡張症


気管支拡張症は、主に気管支炎や肺炎後に、気管支が炎症のために拡張する疾患です。拡張した気管支には痰が貯留し、朝方にたまった痰が咳とともに排出されます。痰には細菌がつきやすく、黄色など色のついた痰となって、気管支炎や肺炎を発症します。また気管支炎を繰り返すと、血痰を生じることもあります。
気管支拡張症にはエリスロマイシンやクラリスロマイシンという抗生物質を少量でも長期間内服することで、感染のコントロールができることがわかっています。

非結核性抗酸菌症


非結核性抗酸菌症は、中高年の女性に多く、咳や痰を生じる疾患です。非結核性抗酸菌は、100種類以上の菌が同定されていますが、日本ではMACという菌が多くなっています。リファンピシン、エサンブトール、クラリスロマイシンなどで2年近く治療しますが、難治性のことも多く、手術を必要とすることもあります。経過観察と治療のタイミングは難しいこともあり、専門医による判断が重要です。

サルコイドーシス


サルコイドーシスは肺や眼を中心に、肉芽腫という良性の組織を認める疾患です。若い方は健診の胸部レントゲンでリンパ節が腫れていることから発見されることが多いですが、高齢者では眼がかすむ、皮膚の湿疹などで発見されることもあります。
心臓に病変が及ぶと不整脈を生じることもあります。いずれにせよ早期に診断し、定期的に検査をすることが重要です。